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Culture -文化・歴史-
大江山は丹後・丹波の国境にそびえる当地方きっての名山です。大江山を記した古書も数多くあり、『丹後国風土記残缺』、『西北紀行』(貝原益軒)、『秋山の記』(上田秋成)などが代表的なものです。
こういった古書には「与謝ノ大山」「与謝大山」「大山」「大江山」「千丈嶽」「御嶽」などと書かれていますが、江戸時代の『西北紀行』や『秋山の記』では「大江山」となっています。
この山には三つの伝説があります。一つは崇神天皇の弟にあたる日子坐王(ひこいますのきみ)の土蜘蛛退治伝説であり、もう一つは用明天皇の第三皇子麻呂子親王の鬼退治伝説であり、残り一つは御伽草子「酒呑童子」で知られる源頼光の鬼退治伝説です。これらの伝説にまつわる伝承地は今でも数多く残されています。
一方、この地は丹波・丹後を結ぶ陸上交通の要路でもあり、大江山の東には普甲峠(宮津街道)、西には与謝峠(山陰道丹後支路)があります。与謝峠越えの道は古代山陰道丹後支道のルートです。また普甲峠越えの道は、宮津藩の公路として江戸時代初期に藩主京極高広によって新しく開かれた道であり、それ以前はさらに東の元普甲道を通り都への往来をしていました。今でも宮津街道には石畳の道が所々に残り、参勤交代の行列や旅人が往来した面影を残しています。